今、台湾でしたいこと。

台湾のフードエッセイスト・洪愛珠さんが通う、台北の深夜食堂。【&Taiwan 台湾でしたいこと】February 23, 2025

台湾には、麺、丼、スープ、包子(パオズ)など、独特の食文化があります。2025年4月号の特集「台湾でしたいこと」で、おいしい麺の店を教えてくれた洪愛珠(ホン・アイズー)さんに、深夜まで開いているおすすめの食堂3軒を挙げてもらいました。

左から、お粥 (10元) 、シジミの醤油ニンニク漬け、小魚と唐辛子の和え物、からし菜と豚肉の唐辛子炒め (一皿40〜80元) 、豚足 (160元) 。
左から、お粥(10元)、シジミの醤油ニンニク漬け、小魚と唐辛子の和え物、からし菜と豚肉の唐辛子炒め(一皿40〜80元)、豚足(170元)。
中山國小駅から徒歩4分ほど。満席時は、番号札を受け取って列に並ぶ。
中山國小駅から徒歩4分ほど。満席時は、番号札を受け取って列に並ぶ。
カウンターには、できたての料理が入れ替わりで常に10種以上は並ぶ。
カウンターには、できたての料理が入れ替わりで常に10種以上は並ぶ。

優しい味のお粥と台湾の家庭料理に、身も心も温まる。

2024年のビブグルマンにも選ばれた名店。ショーケースの小菜を指さしで注文し、最後にお粥かご飯を選ぶスタイル。「昔の台湾人は、朝に家族みんなでお粥を食べていました。そこでおかずとして出されていたような、シンプルで優しい味付けの伝統的な家庭料理を楽しめます。ひとりでも3〜4皿は食べられるほどの小ぶりなサイズなので、夜にあっさりとしたものを食べたいときにぜひ」

小品雅廚(シャオピンヤーチュィ) 中山國小
▷台北市中山區中原街130號 ☎02-2592-9924 18:00~翌5:00 無休 飲み物のメニューはないが、持ち込み可能。

左から、サバヒーのハラス、生姜の千切りが入ったすっきりとした味わいの魚肚湯 (ルビ入れたいです) (140元) 。おかずと合わせて食べやすいミニサイズの魯肉飯 (30元) 。熱々の鉄鍋でエビを炒めた三杯蝦 (450元) 。
左から、サバヒーのハラス、生姜の千切りが入ったすっきりとした味わいの魚肚湯(ユィトゥータン)(130元)。おかずと合わせて食べやすいミニサイズの魯肉飯(30元)。熱々の鉄鍋でエビを炒めた三杯蝦(450元)。
西門駅から徒歩4分ほど。メニュー表から注文したい料理をチェックして渡す形式。
西門駅から徒歩4分ほど。メニュー表から注文したい料理をチェックして渡す形式。
店内は約30席。海鮮料理のほか、サーロインステーキ (450元) や豚肉焼きそば (120元) なども。
店内は約30席。海鮮料理のほか、サーロインステーキ(450元)や豚肉焼きそば(120元)なども。

台南名物の海鮮料理を、魯肉飯とともに味わう。

夜も多くの人で賑わう西門エリアで、台湾南部で親しまれている海鮮料理を深夜限定で味わえる食堂。白身魚のサバヒーを使ったスープやハラス焼きのほか、エビを酒、醤油、ごま油で炒めた三杯蝦(サンペイシア)も人気。「本格的な台南料理を台北で届ける数少ない店。ここは魯肉飯も有名で、夜中にふと魯肉飯を食べたくなったときにもよく行きます」

阿財虱目魚肚(アーツァイスームーユィトゥー) 西門
▷台北市萬華區內江街53號 ☎02-2370-3378 21:30~翌4:30 日月休 日本語対応のメニューも。

左から、肉まん (30元) と四神湯 (75元) 。卓上の調味料から、生薬の一種である当帰を米酒に漬け込んだ当帰酒をスープにかけるのが現地流。
左から、肉まん(30元)と四神湯(75元)。卓上の調味料から、生薬の一種である当帰を米酒に漬け込んだ当帰酒をスープにかけるのが現地流。
大きな赤い看板が目印。肉まんはもちろん、シュウマイ (65元) や肉入りちまき (65元) も人気だ。
大きな赤い看板が目印。肉まんはもちろん、シュウマイ(65元)や肉入りちまき(65元)も人気だ。
店頭の調理場で注文。隣の飲食スペースまで持ってきてくれる。
店頭の調理場で注文。隣の飲食スペースまで持ってきてくれる。

皮までおいしい肉まんと、栄養満点のスープをセットで。

四種の生薬と豚ホルモン、ハトムギが入った薬膳スープ、四神湯(スーセンタン)が看板メニューの店。豚骨ベースのスープは、さっぱりとしていながらも滋味深い味。もっちりとした甘みのある皮にジューシーな肉餡が入った肉まんとセットで。「台湾人にとって、肉まんとスープは一緒に注文するのが定番。彰化の大学に通っていた学生時代、週末に帰ってくるたびに食べていた思い出の味です」

阿桐阿寶四神湯(アートンアーパオスーセンタン) 雙連
▷台北市大同區民生西路151號・153號 ☎02-2557-6926 11:00~翌5:00 無休 雙連駅から徒歩約4分。 

洪 愛珠 ホン・アイズー Aichu Hung

洪 愛珠 ホン・アイズー Aichu Hung作家

新北市出身。ロンドン芸術大学卒業。グラフィックデザイナーとしてキャリアを築きながら、2021年に書き始めた食にまつわるWebコラムが編集者の目に留まり、『老派少女購物路線』で作家としてデビュー。日本でも翻訳版として『オールド台湾食卓記』(筑摩書房)が刊行されている。

coordination : Mari Katakura

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