EVENT いま訪れたい場所、見たいもの。
写真家・高野ユリカさんの個展「REGARDING THE ECHO OF OTHERS」が
横浜市民ギャラリー1Fにて開催。April 05, 2023
写真、映像、音で届ける、プロジェクトの初の展覧会。
本誌をはじめ、雑誌や広告、精力的なパーソナルワークなど幅広く活動し、本サイトの連載「今月の写真家、今日の一枚」も担当してくれた写真家の高野ユリカさん。高野さんが長期に渡って制作を続けてきたプロジェクトの初めての展覧会となる「REGARDING THE ECHO OF OTHERS」が横浜市民ギャラリーで開催される。
「U35若手芸術家支援事業」として、将来を担う作家に対する発表の場や広報協力の支援を展開する横浜市民ギャラリーの、同事業6回目となる展覧会。高野さんの出身地である新潟県長岡市は、1945年8月に広島と長崎に原子爆弾が落とされる前に米軍によって落とされた模擬原子爆弾投下跡地がある場所で、それを主題として長年制作を行なってきた模擬原子爆弾投下跡地での写真群に加え自作のピンホールカメラで撮影した長岡の花火の写真、史実と作家のリサーチ資料、音楽家の梅原徹とのフィールドレコーディング作品、映像作品など、さまざまなメディアで構成される。
本展覧会に寄せて、高野さんは以下のようにメッセージを寄せている。
「制作の起点となった、スーザン・ソンタグの著書 『他者の苦しみへの眼差し - REGARDING THE PAIN OF OTHERS』を本作品タイトルへ引用している。この本の中で他者の苦しみを「慮る」ことへの究極の困難さが綴られているように、私たちは遠くで起こった戦争のニュースや過去の記録を見ていても、そこにいる当事者と同じ気持ちには決してなれないし本質的には理解できない。理解できないということを前提にして、経験していない戦争に対して、どのように想像していけるるのか、写真や映像でどのようなコミュニケーションができるかを題材に制作した」
写真や映像、音を通して、かつて新潟で起きたことに思いを馳せる。高野ユリカさん個展「REGARDING THE ECHO OF OTHERS」は、横浜市民ギャラリーで4月6日から4月16日まで開催される。
高野ユリカ YURIKA KONO
新潟生まれ。第20回写真「1_WALL」審査員奨励賞、第25回 IMA next 『story』shortlist 。土地や歴史、建築や空間、個人の物語のリサーチから着想し、history : his-story に応答する her-story 、歴史に残ってこなかった無名の人々への想像をテーマに作品を制作している。
https://www.yurikakono.com/
EVENT INFORMATION
高野ユリカ「REGARDING THE PAIN OF OTHERS」
会場 : 横浜市民ギャラリー 展示室1階
住所 : 横浜市西区宮崎町26番地1
会期 : 2023年4月6日[木] 〜 4月16日[日]
営業時間 : 10:00〜18:00 (※最終日は14:00まで) 会期中無休 無料