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煎を重ね、時間を共有する中国茶の奥深さ。骨董店店主・湖心亭さんのエレガントな嗜み。October 14, 2023

エレガンスを物語る8つの心得について、それを実践する8人に話を聞いた、本誌「エレガンス、であること」特集の企画「エレガントな、8つの嗜み」。なにげない日常のなかでも、丁寧な動作を心がけ、相手を思いやったり、自分を大切にすることで、エレガンスは醸し出されていくもの。骨董店店主・湖心亭さんの嗜みを紹介します。

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中国茶を淹れるための道具は、まず茶壺(ちゃふう)。他は好きなもので見立ててもいい。この日の茶葉は台湾の阿里山高山茶。

煎を重ね、時間を共有する中国茶の奥深さ。

 静岡・熱海で骨董店を営む湖心亭さんが、中国茶に傾倒したのは約4 年前。自分のために淹れるのはもちろん、店を訪れた客にもふるまう。

「お客様も初めてだと緊張してお見えになるので、頃合いを見て召し上がっていただくようにしています。買い物をしたというより、いい時間を持ったと思っていただきたいんです。同じ味と香りを共有して、おいしいと言ってもらえると気持ちが繋がり、一つ手を取り合ったような感じがします」

 そこに言葉は必要ない。骨董はものが語り、お茶は香りや風味が相手に余韻を残す。

「私はあまり話さないほうがいい。受け取る方へ余白をつくれるのが、お茶の愉しさでもあると思います」

 さらに、中国茶の特徴は煎を重ねることにある。時間をかけながら変化していく様を分かち合い、相手と心を通わせる。そこもエレガンスに通じるという。

「お茶を淹れているときって、味わっている方に対して受け身なんです。脇に控えている感じがあって、おいしいかな、寒くないかな、とその方が感じていることに配慮をする。誰かといるときにパッシブでいることもまた、エレガンスに繋がる気がします」

 茶葉も同じ。強く主張するものよりも、穏やかで、煎を重ねるごとにおいしさが深まっていくものこそ品格があると、湖心亭さんは考えている。

PROFILE

湖心亭 Koshintei インテリアスタイリスト

2022年11月に骨董店『湖心亭』をオープン。屋号は叔母が営んでいた店から引き継いだ。骨董好き、中国茶好きも叔母の影響だという。中国茶を始めるなら「まず、愛せる道具を揃えるといいのでは。道具を一つ一つ丁寧に扱うことで、その時間が特別なものになる気がします」と言う。

湖心亭 Koshintei

この記事は、『アンドプレミアム』NO.119「エレガンス、であること。」に掲載されたものです。

photo : Takashi Ehara illustration : Shapre text & edit : Wakako Miyake

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