FOOD 食の楽しみ。
ユザーンさんの「ベンガル風チキンカレー」みんなのレシピ04Tasty Homemade Recipes 04 / August 05, 2021
料理上手たちを訪ね、ふだんの暮らしの中でよく作っている“手間をかけずに”ちょっとしたアイデアで美味しくできる手料理を教えてもらった本誌93号の特集「さっと作れる、あの人の手料理」。みなさんのとっておきのスパイスカレーのレシピを教わった「Spice Curry Book」から、タブラ奏者のユザーンさんの「ベンガル風チキンカレー」のレシピをご紹介します。
苦味がクセになる、新感覚のベンガル料理。
ベンガル料理はインド・西ベンガル州からバングラデシュにかけての地域で食べられているものです。日本ではまだなじみがないと思いますが、魚と米を日常食とする彼らの文化はどこか和食にも通じる部分があるかもしれません。他の地方のインド料理と異なる特徴のひとつには、苦味を大切にしていることが挙げられます。食事の最初にはまず苦味のある野菜から食べる決まりがあるし、よく使われるニゲラシードやフェヌグリークシードといったスパイスにも若干の苦味があります。特に〝黒いクミン〞と呼ばれるニゲラシードはベンガル地方の魚料理に欠かせないものなので、今回のカレーレシピでも使ってみました。僕が一番好きな「ショルシェ・マーチ」という、マスタードを使った魚のカレーをどうしても紹介したかったんですよね。作りやすいようにアレンジしてみたので、ぜひベンガル料理の魅力に触れてみてください。
HOW TO COOK
スパイス4種だけで作れる骨付きチキンのベーシックなベンガル風カレー。ヨーグルトと薬味類、スパイスでじっくりと鶏肉をマリネすることで風味豊かに、ほろほろ食感に仕上がります。油はサラダオイルでもいいですが、マスタードオイルを使うとより本格的な風味に。ご飯をバスマティライスにすれば完璧です。
(材料 2人分)
手羽元...500g 紫玉ネギ...1/2個(スライス)
ブラックペッパー... 8 粒 鷹の爪... 2 本 パクチー...適量(みじん切り) 砂糖...小さじ 1 塩...小さじ1/2 油...大さじ 3
A おろし玉ネギ...1/2個 おろしニンニク... 1 ~ 2 かけ分 おろし生姜... 1 ~ 2 かけ分 プレーンヨーグルト...大さじ 1 塩...小さじ1/2 ターメリックパウダー...小さじ 1 クミンパウダー...小さじ 2 コリアンダーパウダー...小さじ 1 カイエンペッパー(チリペッパー)...小さじ 1
〈作り方〉
1 A を、手羽元と混ぜ合わせて、2時間ほど冷蔵庫でおいておく( a )。
2 油をフライパンの中火で熱し、ブラックペッパーと鷹の爪を入れて1分半くらい炒める。
3 繊維を断ち切るように切った玉ネギと砂糖を加え、しばらく炒める( b )。
4 漬け込んでいた手羽元をマリネ液ごと投入し、15分ほど炒める( c )。
5 塩と水を適宜足して、20分ほどじっくり煮込む。
6 最後に適宜塩加減を調整して、パクチーのみじん切りを加える( d )。
ユザーン タブラ奏者
U-zhaan
2021年、ラッパーの環ROY・鎮座DOPENESSとの共作アルバム『楽しみ』をリリース。タブラ修行のため20年以上に渡りベンガル地方へ通ううち、ベンガル料理の虜に。監修したレトルトカレー「ベンガリーマトンカレー」が成城石井などで販売中。監修本に『ベンガル料理はおいしい』(NUMABOOKS)。
photo : Kazumasa Harada styling : Misa Nishizaki text : Yuriko Kobayashi
※『&Premium』No. 93 2021年9月号「さっと作れる、あの人の手料理」より