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February 19, 2022 / 〔PR〕 City of Shizuoka Finder お茶の香る街を歩き、色彩の天才の技を訪ねる。

染色家・芹沢銈介が生まれ育った静岡市には、美術館をはじめ彼の作品が数多く残る。
イラストレーターのそで山かほ子さんが、その魅力に触れる旅へ。

 

そで山かほ子 Kahoko Sodeyama イラストレーター

東京都在住。安西水丸塾受講。チョコレートが溶けたみたいにアクリル絵の具をたっぷり塗った作品や独特のタッチの線画が特徴。広告・雑誌・書籍などのイラストレーションを中心に幅広く活躍中。プライウッドのカットワークのプロダクトも手がけている。

登呂遺跡の傍らにある美術館は別名「石水館」。名建築家・白井晟一の設計したゆったりとした空間が、作品の魅力を引き立てる。
登呂遺跡の傍らにある美術館は別名「石水館」。名建築家・白井晟一の設計したゆったりとした空間が、作品の魅力を引き立てる。

「ずっと来てみたかったんです」
 そで山かほ子さんがこう話すのは、『静岡市立芹沢銈介美術館』。芹沢の作品約1300点と、彼が集めた収集品約4500点を収蔵・展示する個人美術館だ。歩いて2分ほどの所には附属施設として、東京・蒲田の自邸から移築した木造2階建ての『芹沢銈介の家』もあり、ファン憧れの聖地となっている。
 植物や動物、風景、手仕事、文字などをモチーフにした、明快かつ色彩豊かな作品で知られる芹沢。根底を成すのは、優れたデッサン力とそれを図案化して、着物や帯、屏風などのアイテムに落とし込んでいく構成力だ。1956年には「型絵染」と呼ばれる技法で、人間国宝にも認定。通常は、絵師、彫師、染師といった職人が分業する作業を一人で行うことで、独自の世界観を追求している。
 そで山さんが訪れたときは、開館40周年記念展〜冬編〜『ジャパン・ブルー─藍のある暮らし─』が開催中(〜3月21日)。芹沢の収集品から日本の藍染めを中心に、彼自身の代表作60点と併せて展示している。その作品を見て、そで山さんの顔が輝く。
「これらの素晴らしい作品をすべて一人でつくり出しているということに驚きます。絵を描いて、型を彫って、糊をつけて、染める。その一つ一つの工程を自らこなすことで、同じものが二つとない手仕事が生まれる。それは本当にすごいことだと思います」と感心しきりだ。
 学芸員の土手香澄さんから「晩年まで紙とペンを常に持ち歩き、時間があればスケッチをしていた」という話を聞くと、「だからこそ、これだけさまざまな表現ができたんですね。木ひとつとっても、作品ごとにまったく印象が違う」とも。
 また芹沢は工芸品の収集家としても有名で、その目利きぶりには、彼を染色の道へと導いた柳宗悦も一目置いたほど。時代や国籍、ジャンルなどには関係なく、芹沢の審美眼だけで選ばれたものたちは、彼の創作意欲を掻き立て、作品のモチーフになることも少なくなかった。
「空襲で型紙や収集品の大半が燃えてしまったため、ここにあるのは大抵が戦後50歳を過ぎてから制作したり、集めたものだとか。そこには創作と収集に対する並々ならぬ意欲が感じられますよね」

お茶そして富士山。美術館を出ても楽しみは尽きない。

 静岡市には、芹沢の作品がパブリックアートになっている所もある。『静岡市役所新館』では、2つの作品がタペストリーとエレベーター扉に、『静岡県静岡総合庁舎本館』では、屏風と着物に描かれた作品が陶板になって展示されているので、自由に見学できる。
 なかでも、そで山さんの興味を引いたのは『静岡市民文化会館』の緞帳。’78年の開館時に設置されたもので、当時の静岡市歌の歌詞を描いている。芹沢らしい、文字をデザインした緞帳のサイズは縦約7m・幅約16m。何人もの職人で織り上げた一枚だ。
「間近で見るとまた違う美しさですね。色使いも織り目も複雑。ひとつの色でも、一部に光沢のある糸を使うことで表情を持たせている。これを手作業で織り上げていると思うとすごい」
 1865年創業の製茶問屋『小山園』では芹沢ファンにピッタリのお茶に出合った。芹沢の春夏秋冬シリーズをパッケージに用いたお茶だ。四季で味わいを変えているので、飲み比べする楽しさも。
 実は、お茶好きのそで山さん。自宅では、台湾茶を飲むことが多いというが、茶どころ・静岡に来たからには、静岡茶の魅力を体感せずには帰れない。
 まず訪れたのは、急須でていねいに淹れたお茶を手軽に楽しめる『しずチカ茶店 一茶』。「駅チカで、本格的なお茶を飲めるんですね。50もの製茶問屋の商品を一堂に見られて、ワンコインで買えるのもいい」とそで山さんも満足気だ。
 次は少し足を延ばして、『日本平ホテル』のテラスラウンジへ。ここでは富士山を眺めながら静岡の和紅茶でアフタヌーンティーが楽しめる。
「富士山とアフタヌーンティーが楽しめる贅沢なひととき。さっぱりとした和紅茶がおいしかったです」
 目と心、そして舌で静岡の魅力を思う存分に体験したそで山さん。
「『芹沢銈介美術館』の新しい展示が始まる頃にまた来たいですね」
 静岡市への再訪はそう遠くないようだ。

 
鉄道でも車でもアクセス抜群の静岡市。芹沢やお茶以外にも見どころが多いので、1泊2日の週末旅がおすすめ。
鉄道でも車でもアクセス抜群の静岡市。芹沢やお茶以外にも見どころが多いので、1泊2日の週末旅がおすすめ。
 

古くて新しい。芹沢が愛した日本の美に触れる。

静岡市立芹沢銈介美術館
Shizuoka City Serizawa Keisuke Art Museum

静岡市駿河区登呂5−10−5 ☎054−282−5522 9:00~16:30 月(祝日除く)、祝日の翌日、年末年始、展示替え期間休 観覧料¥420

『芹沢銈介の家』の中にちょこんと立っていた「田の神さあ」。茶碗としゃもじが目印。
『芹沢銈介の家』の中にちょこんと立っていた「田の神さあ」。茶碗としゃもじが目印。
組み天井とアーチ枠が印象的な展示室。建築家・白井晟一が設計を担当した。
組み天井とアーチ枠が印象的な展示室。建築家・白井晟一が設計を担当した。
美術館開館日の日曜と祝日に無料で見学できる『芹沢銈介の家』。「この空間にあることで、収集品がより生き生きして見えますね」とそで山さん。
美術館開館日の日曜と祝日に無料で見学できる『芹沢銈介の家』。「この空間にあることで、収集品がより生き生きして見えますね」とそで山さん。
芹沢作品の絵はがきはミュージアムショップで購入できる。
芹沢作品の絵はがきはミュージアムショップで購入できる。
商業デザインに関する展示。染色以外にも、本の装幀から看板や照明のデザインまで芹沢の仕事は多岐にわたった。
商業デザインに関する展示。染色以外にも、本の装幀から看板や照明のデザインまで芹沢の仕事は多岐にわたった。
そで山さんの背後に見えるのが、静岡市役所新館に展示されているタペストリーのもとになった作品。
そで山さんの背後に見えるのが、静岡市役所新館に展示されているタペストリーのもとになった作品。
 

静岡県静岡総合庁舎本館
Shizuoka General Government Building

静岡市駿河区有明町2−20 土日祝休日および12月29日~1月3日閉庁 作品は1階ロビーに展示されています。

ここには『縄文藍地芭蕉布着物』に描かれた縄の模様を写した大きな陶板が飾られている。「触れられるところがいいですね」とそで山さん。さらにもう1点、『麻地藍丸紋いろは尽くし六曲屏風』の陶板もあり、そで山さんは、スケッチブックとペンを取り出して、その文様を熱心にデッサンしていた。
ここには『縄文藍地芭蕉布着物』に描かれた縄の模様を写した大きな陶板が飾られている。「触れられるところがいいですね」とそで山さん。さらにもう1点、『麻地藍丸紋いろは尽くし六曲屏風』の陶板もあり、そで山さんは、スケッチブックとペンを取り出して、その文様を熱心にデッサンしていた。
 

静岡市民文化会館
Shizuoka City Culture Hall

静岡市葵区駿府町2−90

舞台芸術の仕事に関心を持ち、緞帳の図案制作にも取り組んだ芹沢。駿府城公園に隣接する『静岡市民文化会館』の中ホールの緞帳は今も使用されており、現存する貴重な緞帳2枚のうちの1枚。かつての静岡市歌「進みゆく静岡市」の歌詞の文字が描かれており、そで山さんの姿と比較するとその大きさがよくわかるはず。観劇の際などに運よく緞帳の上げ下ろしがあれば見ることができる。
舞台芸術の仕事に関心を持ち、緞帳の図案制作にも取り組んだ芹沢。駿府城公園に隣接する『静岡市民文化会館』の中ホールの緞帳は今も使用されており、現存する貴重な緞帳2枚のうちの1枚。かつての静岡市歌「進みゆく静岡市」の歌詞の文字が描かれており、そで山さんの姿と比較するとその大きさがよくわかるはず。観劇の際などに運よく緞帳の上げ下ろしがあれば見ることができる。
 

静岡市役所新館
Shizuoka City Hall

静岡市葵区追手町5−1 ☎054−254−2111 8:30~17:15 土日祝休日および12月29日~1月3日閉庁 作品は新館1階吹き抜けに展示されています。

オリジナルは、春夏秋冬の文字とそれぞれを表す花鳥や風物を4つの画面に描いた『文字入四季文二曲屏風』。タペストリーはどこから見ても美しいよう両面が彩色されている。このほか、市役所には『四季文づくし四曲屏風』をデザインしたエレベーター扉(1階、17階)も。
オリジナルは、春夏秋冬の文字とそれぞれを表す花鳥や風物を4つの画面に描いた『文字入四季文二曲屏風』。タペストリーはどこから見ても美しいよう両面が彩色されている。このほか、市役所には『四季文づくし四曲屏風』をデザインしたエレベーター扉(1階、17階)も。

静岡の旅の締めくくりには、香り高き静岡茶と富士山を。

しずチカ茶店 一茶
Shizuchika-Chamise Issa

静岡市葵区黒金町49−1(JR静岡駅北口地下広場) ☎054−253−0030 10:00~19:00(カフェスペース18:30LO) 水休(祝日の場合、翌日休)

09 約50社の製茶問屋が加盟する静岡茶商工業協同組合の直営店。各社おすすめの茶葉が¥500で購入できる。併設のカフェでは、その中から3種類を週替わりで提供。2煎目からは、写真のそで山さんのように、急須で淹れる体験ができるのも楽しい。上生菓子付きで¥700。
約50社の製茶問屋が加盟する静岡茶商工業協同組合の直営店。各社おすすめの茶葉が¥500で購入できる。併設のカフェでは、その中から3種類を週替わりで提供。2煎目からは、写真のそで山さんのように、急須で淹れる体験ができるのも楽しい。上生菓子付きで¥700。
 

日本平ホテル テラスラウンジ
Nippondaira Hotel Terrace Lounge

静岡市清水区馬走1500−2 ☎054−335−1157 10:00~19:00(アフタヌーンティーの提供は14:00~17:00) 無休(ホテル営業日に準ずる)

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テラス前の庭園からは清水港とその向こうにそびえ立つ富士山を一望できる。
テラス前の庭園からは清水港とその向こうにそびえ立つ富士山を一望できる。
2月28日まで提供中の「ストロベリーアフタヌーンティーセット」静岡の和紅茶付き2人分¥3,800。3月からはメロンを予定。
2月28日まで提供中の「ストロベリーアフタヌーンティーセット」静岡の和紅茶付き2人分¥3,800。3月からはメロンを予定。
高さ10m・幅30mの窓からの絶景は、まるで一枚の絵画のようだ。
高さ10m・幅30mの窓からの絶景は、まるで一枚の絵画のようだ。
 

小山園本店
Koyama En Honten

静岡市葵区呉服町2−8−18 ☎︎0120−580−118 10:00~19:00(水〜18:00) 無休

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好みのお茶を買えば、芹沢作品を使った150g用紙製茶筒¥108に入れることも。
好みのお茶を買えば、芹沢作品を使った150g用紙製茶筒¥108に入れることも。
写真左:ショッピングバッグも芹沢作品を使用している。緑茶とバラの花を組み合わせた新感覚のハーブティーなど、新しい取り組みにも力を入れている。
写真右:茶師が日本の四季をイメージして合組(ブレンド)した「春」「夏」「秋」「冬」50g 各¥540。
写真左:ショッピングバッグも芹沢作品を使用している。緑茶とバラの花を組み合わせた新感覚のハーブティーなど、新しい取り組みにも力を入れている。 写真右:茶師が日本の四季をイメージして合組(ブレンド)した「春」「夏」「秋」「冬」50g 各¥540。
 

静岡市内の富士山スポットで写真を撮って限定グッズをもらおう!

静岡市出身の漫画家さくらももこさんオリジナルイラスト「静岡市はいいねぇ。」に描かれた富士山スポットを巡る『静岡市はいいねぇ。ふじさんフォトラリー』を開催中! 限定グッズなどがもらえます。詳細は『静岡市はいいねぇ。ふじさんフォトラリー』HPをご覧ください!

https://www.city.shizuoka.lg.jp/ffr

 
©Momoko Sakura
©Momoko Sakura
 

※掲載している店舗、施設の営業形態は、状況により変更になる場合があります。
※新型コロナウイルス感染拡大等により、『静岡市はいいねぇ。ふじさんフォトラリー』は予告なく中止・変更になる場合があります。

公式サイトはこちら

●問合せ/静岡市広報課 ☎054−221−1353 受付時間8:30~17:15(土日祝、年末年始を除く)

photo : Tetsuya Ito illustration : Kahoko Sodeyama text : Ai Sakamoto edit : Akira Ikeda

Latest Issue心を揺さぶる、アートの力。2022.06.20 — 880円