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キッチンに映える色で選ぶ。在本彌生さんに学ぶ、花の飾り方とセンス。July 07, 2025
花を飾ると、見慣れた部屋も新鮮に感じ、気持ちまでエレガントに彩られていく。玄関、キッチン、リビング、ベッドルーム、お気に入りの棚の上……、日々の暮らしに花が欠かせない3名に、飾り方のヒントを教えてもらいました。&Premium特別編集「センスのいい人は、何が違う?」より、webサイトで特別に紹介します。
常備している果物に合わせて花の色を選ぶ。

国内、海外問わず2か月に一度は仕事で旅に出かけている在本彌生さん。留守がちなので、気持ちを日常に戻すためにも、家にいるときは花を欠かさないそう。飾るのはキッチンとダイニングテーブルの上が定位置になっている。
「家にいる時間が少なくて手間暇かけて育てることが難しいので、せめてもと花を飾るようにしています。殺風景な家の中でも生きているものがあるといいな、と思うし、季節を感じられるのが嬉しいです」
キッチンの花は色で選ぶことが多い。飾ってあるのは、黄色系のチューリップやラナンキュラス。
「果物が好きで、たいてい家にあるので、その色に合わせて花を選ぶ、ということを結構します。今日はオレンジとグレープフルーツ、バナナがあったので、それとリンクする色合いで。他にもリンゴの赤、ブドウの緑や紫を拾ったりすることも」
また、一種類をたっぷり生けるのもよくやるスタイル。実家から大量に花をもらうことがあり、それを大きめの器や古物のバケツなどにどさっと入れる。
「アレンジするとなると気後れしてしまいますが、一種類なら高さを調節したり、向きの流れをつくったりするだけで絵になるので、難しくないんです」
さらにその風景をどう切り取るかも意識している。
「要は空間をデザインする感覚。花だけを見て飾るのではなく、視線を動かしたとき、どこにどんなふうに置くと素敵になるかは、常に考えています」

在本彌生 Yayoi Arimotoフォトグラファー
大学卒業後、外資系航空会社乗務員を経て写真家に。竹細工作家・柴田恵を追った本『かごを編む 鳥越のすず竹細工とともに、柴田恵』(リトルモア)の撮影を担当。ベランダでは料理に使うため、ミントなどのハーブを育てている。
photo : Kazumasa Harada illustration : Shapre text : Wakako Miyake