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外の景色とひと続きのように。『uguisu』『organ』オーナーマダム・紺野順子さんに学ぶ、花の飾り方とセンス。July 06, 2025
花を飾ると、見慣れた部屋も新鮮に感じ、気持ちまでエレガントに彩られていく。玄関、キッチン、リビング、ベッドルーム、お気に入りの棚の上……、日々の暮らしに花が欠かせない3名に、飾り方のヒントを教えてもらいました。&Premium特別編集「センスのいい人は、何が違う?」より、webサイトで特別に紹介します。
ほの暗い部屋に、光となる花を置く。

敷地内外に豊かな緑を湛える、低層の穏やかなヴィンテージマンション。その一角に暮らす紺野順子さんは、リビングの大きな窓から望む借景が見せる木々の変化を日々楽しみながら、家の中にも少しずつ、目を楽しませるグリーンや花々を置いている。
「母が、お客様に合わせて玄関や床の間などに花をしつらえていた影響でしょうか。父も盆栽や庭木の手入れをして、庭には柘榴や百日紅、ドウダンツツジなどが季節ごとに咲いていました。華美ではない、実家の庭にあってもしっくりくる花が好きです」
玄関から廊下を抜け、光を増す南側のリビングへと向かう途中、北側にあるベッドルームの奥には、白いバラのロサ・センパヴィエンスが目に入る。淡い陽の光を受けて、一重の花びらの繊細さが際立つ。
「形が少し崩れている感じのバラが好み。花は、あまり光が差さない玄関や北向きの部屋に飾ることが多いですね。ほの暗い中で、その花の存在自体を光として、明るい気持ちをもらっています」
大きな窓のある、光が多く差し込むリビングには、大ぶりの枝を、特別な日でなくても飾る。
「外の借景からの地続きのような流れを感じます。ラフに置いても決まるので楽だし、絵になる。大きくて圧倒されるものが好きなんです」
玄関から続く静かな花のリレー。夫が何げなく持ち帰った花や、知人から毎年届く庭のクリスマスローズも加わり、さりげなく空間を照らしていた。

紺野順子 Junko Konno『uguisu』『organ』オーナーマダム
夫の紺野真さんと共にナチュラルワインを提供するビストロ、東京・三軒茶屋『uguisu』と西荻窪『organ』を営んでいる。大ぶりの枝物などもたくさん揃っている、三軒茶屋の路地にある『花吾屋』へもよく立ち寄る。
photo : Kazumasa Harada illustration : Shapre text : Yuko Mori