MOVIE 私の好きな、あの映画。
強く生きる女性たちの様々な葛藤、そして〈サンローラン〉の美学が宿る映画『エミリア・ペレス』が3月28日 (金) から公開。March 27, 2025

「女性になりたい」。メキシコの麻薬王の願いが運命を変えていく。
先日発表された2025年アカデミー賞で助演女優賞と歌曲賞を受賞。2024年カンヌ国際映画祭女優賞では、出演した4人の女優が受賞し、公開前から話題になっている映画『エミリア・ペレス』。今作は〈サンローラン〉の映画会社〈サンローラン プロダクション〉が制作し、芸術衣装の監修をクリエイティブ・ディレクター アンソニー・ヴァカレロが手がけ、強く生きる4人の女性のキャラクターに華を添えている。
ストーリーは、女性弁護士・リタ・モラ・カストロ(ゾーイ・サルダナ)に、メキシコの麻薬王マニタス・デル・モンテ(カルラ・ソフィア・ガスコン)から「女性としての新たな人生を極秘に用意してほしい」という依頼が舞い込むところからはじまる。妻のジェシー(セレーナ・ゴメス)と幼いこども二人がいたマニタスは性別適合手術を受けた後、家族と別れ、過去の自分を葬り、エミリア・ペレスとして新たな人生をスタートする。それから4年後、リタと再会。リタは「子どもたちと暮らしたい」というエミリアの希望を叶えるべく、エミリアをマニタスのいとこという設定で家族を呼び寄せ、メキシコの豪邸で再び一緒に暮らしはじめる。そんな中、エピファニア(アドリアーナ・パス)と恋に落ちるエミリア。公私ともに充実した日々を送っていた中、ジェシーが思わぬ行動をとり、運命が大きく変わりはじめる。
監督は30年に及ぶキャリアを誇る、フランスを代表する映像作家・ジャック・オーディアール。今作はオペラのアイデアから始まったということもあり、ミュージカルとしても楽しめる要素が詰まっている。フランスの国民的シンガー、カミーユによる楽曲と、ダミアン・ジャレによる振り付けも見どころのひとつ。サスペンス、アクション、ミュージカル、ヒューマンドラマetc、様々なジャンルを掛け合わせた新感覚の映画だからこそ、劇場の大スクリーンで体感したい一作だ。