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おおらかな大仏に癒やされる、奈良・岡寺。ライター・大和まこさんの好きな聖地。August 11, 2025
神社仏閣、庭園、湖、山……。古くから人々の祈りが込められてきた場所には、ただそこに身を置くだけで、内側から満たされる力がある。癒やされたいとき、心を鎮めたいとき、自分を見つめ直したいとき、ふと訪れたくなる。8人に聞いた、とっておきの〝私の聖地〞。

おおらかさに癒やされる、 奈良の大仏巡り。
京都の仏像と比べて、奈良の仏像は全体的におおらかな印象があるんですよね。なかでも、岡寺の如意輪観音坐像は、堂内に入って間近で見ると、彩色が落ちたことによる白い色と、柔和な表情とが相まって、なんともいえない優しさを感じます。唇にはほんのり紅色が残っているのも、より柔らかさを感じさせるのかも。ほかにも足に触れる機会もある長谷寺の十一面観世音菩薩や、吉野の山の色を纏った青色が目を引く金峯山寺の蔵王権現など、奈良の仏像を巡れば、自然と心穏やかに。
岡寺
明日香村の東にある岡山の中腹に鎮座し、飛鳥時代から1300年以上の歴史を持つ。西国三十三所観音霊場の第七番札所で、日本最初の厄除霊場としても信仰を集める。

大和まこライター
京都ライター歴27年、本誌創刊時から続く連載「&Kyoto」を担当。京都の景色や、食べたもの、買ったものをInstagram(@makoyamato)で発信している。