BEAUTY 明日のキレイのために。
黄ぐすみの根本にアプローチ。今季〈ルナソル〉の新ベースメイクを選びたいわけ。August 27, 2025

左/薄くのびてしなやかにフィットする、コンシーラー。シームレスコレクティングリクイド 05 ¥4,400 右/青みピンクのベースに、バイオレットパールを効かせ、黄みを補整。クラリティスキンプライマー 01 30g ¥4,950*ともに9月5日発売(ルナソル/カネボウ化粧品 0120−518−520)
光で肌が目覚める、2つのベースメイク。
1999年の誕生以来、"浄化メイク"や"水ツヤ肌"で、その人らしさを引き出してきた〈ルナソル〉。近年は「EGOISTIC−CHIC」を掲げ、自由と洗練の両立、そして自己表現の可能性を広げている。そうした美意識に、肌のノイズを消し去るようにという精度が加わったのが、この秋のベースメイク。影を忍ばせて光を引き立て、磨き込まれたような透明感と立体感を生み出す逸品だ。
まず注目したいのは、肌の黄みを補整し、全体の明度を底上げするトーンアッププライマー「クラリティスキンプライマー」。青みピンクのベースにバイオレットパールを組み合わせた処方に仕上げ、単なるトーンアップではなく、くすみの根本に働きかける色補整、という点がこのアイテムの本質だ。さらに、肌表面をなめらかに整えるブラーリングジェルと球状パウダーが、毛穴や凹凸の影をやわらげ、光を均一に反射するつるんとした肌へと導いてくれる。そのため、光の通り道が整い、次に重ねるファンデーションがムラなく密着。時間が経っても崩れにくく、メイク持ちの良さにも貢献するのだ。さらに、7種の美容成分によって保湿力も高く、乾燥しがちな肌にも安心して使えるのが嬉しい。この「補整・均一化・保湿」の三位一体設計こそが、〈ルナソル〉のベースメイクにおける美学だといえる。
顔全体の印象を底上げするのがプライマーなら、細部のノイズを取り除くのが5色のコンシーラー「シームレスコレクティングリクイド」だろう。ハイカバーなベージュ系3色に加え、カラー補整の2色をラインナップ。なかでも注目したいのは、「05 クリアラベンダー」。バイオレットの光を肌に忍ばせるこのカラーは、特に黄ぐすみの強い肌に効果的で、つけた瞬間に、肌の透明感をグッと引き上げてくれる印象がある。厚みを感じさせないから、"隠す"のではなく、"馴染ませて消す"という高度なアプローチで、影や赤みといった部分的なノイズを自然にぼかしてくれる。薄づきでありながら、カバー力もばっちりという、矛盾を乗り越えたこの処方は、まさに〈ルナソル〉ならではの魅力だ。素肌の美しさとは、ノイズをそぎ落とし、光の質を緻密に整えること。この2品をまとえば、きっと肌そのもので、その哲学を理解することができるはずだ。
ながとみ・ちはる/美容ジャーナリスト。〈club C.〉主宰。女性誌やウェブで、企画、編集、執筆に携わる。YouTubeチャンネル「永富千晴キレイの未来」も。
photo : Shinsaku Kato
※この記事は、No. 142 2025年10月号「&Beauty」に掲載されたものです。