BEAUTY 明日のキレイのために。
この”もちふわ”は他にはない!〈HACCI〉のはちみつ石鹸はなぜ愛される?August 25, 2025

左/高品質なはちみつを10%以上配合。濃密泡でしっとりした洗い上がりに。はちみつ洗顔石けん 120g ¥7,920 右/85%以上、美容成分配合のとろけるようなテクスチャー。クレンジングミルク 190㎖ ¥5,500(HACCI 0120−1912−83)
質のいいはちみつがたっぷり、渾身のスキンケア。
はちみつは、ここ10年くらいでスキンケアやインナーケアでもより広く用いられるようになった。すぐ思い浮かぶのは、スタイリッシュなパッケージでおなじみの〈HACCI〉。大正元年創業の歴史ある水谷養蜂園の長女として生まれた水谷仁美が、2004年に立ち上げたブランドだ。海外では、はちみつが日常的に美容に取り入れられているのを見た水谷が、「日本にも浸透させたい」という一心で、まずは「ビューティーハニー」を開発。食用でありながら、美容成分を配合し、スキンケアにも応用できる一品だ。その斬新なアプローチは、当時のメディアでも大きな話題となった。
次に手がけたのが、はちみつをたっぷりと配合した石鹸。水谷が幼少の頃、祖母が手作りしていたものがモデルで、その"もちふわ"の泡を目指して開発をスタートしたが、実現には苦労を重ねた。残念ながら祖母のレシピは残っておらず、世の中に、はちみつを高配合した石鹸が存在しなかった。固まりにくい性質を持っているはちみつを、石鹸にブレンドするのが非常に難しかったのだ。
だが彼女は諦めず、高配合にこだわった。石鹸素地を何度も作り直しながら、共に難題に挑んでくれた職人、通称「石鹸おじさん」との出会いにより、開発は進展。実に3年以上をかけて、ようやく10%以上配合することに成功し、特許も取得。
キメ細かく、弾力のある泡が肌を優しく包み込み、洗い上がりは、まるで保湿されているかのようにしっとり。ワントーン肌が明るくなったという声も多く聞かれたという。泡立てネット(別売り)とあわせて、発売から15年以上経った今も、多くのファンに愛され続けている。
この石鹸をはじめ、〈HACCI〉では、2010年にはクレンジングオイル、2012年にクレンジングミルクを発売。これらにも、はちみつが贅沢に配合されており、特にクレンジングミルクはしっとりとした使用感が魅力。国内外で人気を博し、夜はもちろん、朝の洗顔として取り入れる人もいるそう。ブランドの原点となる石鹸と並び、肌の乾燥に悩む幅広い年代のユーザーに支持されている。
創業110年を超える老舗養蜂園にルーツを持つ〈HACCI〉。今後も、効果実感の高いはちみつを贅沢に用いたスキンケアアイテムの発売を控えているというから、さらなる進化に期待が高まる。
くぼ・なおこ/ウェルネス&ビューティジャーナリスト。植物療法(フィトテラピー)をツールに、ココロカラダハダケアについて独自発信。
photo : Shinsaku Kato
※この記事は、No. 142 2025年10月号「&Beauty」に掲載されたものです。