BEAUTY 明日のキレイのために。
50年発酵を追求し続け、独自のコメ発酵液の開発に成功。&Beauty キレイの理屈 〈石井クリニック〉November 26, 2023
今年は、日本の伝統製法である”発酵”を取り入れたコスメが本格的に台頭。なかでも50年もの間、発酵にこだわり、その集大成となる製品を発表した〈石井クリニック〉に注目。1973年、日本初の美容皮膚科を開院したのが、〈石井クリニック〉の始まり。今は亡き石井禮次郎氏が、患者の肌悩みに対し、どう向き合いどう処方するか、熟慮を重ねていく過程で出合ったのが発酵液だ。飲用だった発酵液を皮膚へ塗布し、臨床を重ねながら、院内処方に踏み切り、研究を深めていく。発酵とは、簡単にいうと微生物によって物質が分解されていくこと。腐敗と紙一重だが、発酵は私たちにとって有益となるもの。自然のプロセスの一環で、何を素材にどう発酵させるかで出来上がるものが違う。そして〈石井クリニック〉がこだわってきたのが「鎮静力」のある発酵液だ。
しみやニキビなど肌トラブルは、炎症が原因であることから、まず鎮静させることで肌状態が改善することを確信していた。ただ、保湿力や栄養価が高い発酵液は存在するが、鎮静力のある発酵液は稀だ。皮膚科医ならではの視点で、鎮静力のある発酵液を求め、探し、知見を重ね、2022年に、世界初の3種の微生物の共生によるコメ発酵液「エフイシイ」の開発に成功。今年2月に院内処方も改良し、11月には一般化粧品として”石井クリニック美容研究所 スタンダードライン”をローンチ。これには、料理家でもある佐々木要太郎氏が手がける無農薬の米発酵液を採用。トレーサビリティが確立された原料を使い、アミノ酸など栄養成分が豊富で抗酸化力に優れた、安全かつパワフルな発酵液を配合した唯一無二の化粧品を完成させる。今回は、美容皮膚科の院内でも悩みのトップである、ニキビや吹き出物に対応し、全身に使えるマルチパーパスなベーシックローション、エイジングケア用として植物成分を豊富に配合したエッセンスローション、オイルコントロールを考えたジェルクリームの3製品を展開。肌への浸透感が抜群で、翌朝すぐに確かな手応えを感じることができる。
発酵液の科学的な解析を進めながら、安心安全な自然原料にもこだわる。このバランス感覚に優れた姿勢こそが〈石井クリニック〉の強みだ。今後の製品展開からも目が離せない。
※この記事は、No. 121 2024年1月号「&Beauty」に掲載されたものです。