INTERIOR 部屋を整えて、心地よく住まうために。

クリエイティブディレクター・塚本太朗さんのMy Favorite Place。居場所のスタイルサンプル。vol.02March 31, 2025

日々の暮らしの中で、気づけば長い時間を過ごし、心に安らぎをくれる場所。何かに集中して向き合ったり、時には何もしないで物思いに耽ったり。中心に置かれた椅子をきっかけとして広がる、3人の居場所の話。最新号「暮らしと装いの、スタイルサンプル」より特別に公開します。

クリエイティブディレクター・塚本太朗さんのMy Favorite Place。
バランスよく壁面に飾られた海外からの手紙やショップカードの数々に、塚本太朗さんのさりげないセンスが光る。

思考のヒントを授けてくれる場所。

 東京の下町、鳥越にある古いビルの4階。壁に貼られた友人からの手紙や海外で見つけたショップカード、デスクまわりを埋める文房具や雑貨、デザイン関連の洋書や漫画まで。自身の心がときめくモノで埋め尽くされたここが、クリエイティブディレクターの塚本太朗さんの創作の源となる場所だ。

「以前のオフィスから移ってきたのが8年前。なんだか少しずつ街が面白く変化してきていたのと、大きな窓から差し込む陽の光が決め手になりました」

 そう語る塚本さんの居場所となるデスク前には、〈ハーマンミラー〉の「イームズソフトパッドマネジメントチェア」が。オフィス用品店で出合ったヴィンテージの一脚を、18年ほど前に手に入れた。

「現行モデルは脚が5本なんですが、これは4 本脚。程よいクッション性のある座り心地や、スッキリとした肘掛けのフォルムが気に入っています。確かな機能性とデザインが両立した、ミッドセンチュリーのプロダクトにやっぱり惹かれますね」

 様々なモノに溢れたオフィス。この椅子から見る光景もまた、塚本さんにとって大切なものだ。

「ここに座って無になることはあまりないけれど、ふとしたときに目に飛び込んでくるものがアイデアのヒントになる。いまの自分に欠かせない場所です」

クリエイティブディレクター・塚本太朗さんのMy Favorite Place。

塚本太朗 Taro Tsukamotoクリエイティブディレクター

デザインレーベル〈リドルデザインバンク〉代表。デザインの領域のみならず、商業施設や駅ナカのショッププロデュース、地方活性化のためのリブランディングなども手がける。著書に『ウィーンこだわり旅ブック』(産業編集センター)など。

photo : Yuka Uesawa illustration : Izuru Aminaka text : Marika Nakashima

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