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商店街の一角で知る、西海岸の作家の今。東京・都立大学『millvalley yakumo』。April 30, 2025

2025年6月号の「新しい暮らしに出合える、店ともの。」は、まだ見ぬアイテムや、新鮮な暮らしのスタイルに出合える13軒が登場。ここでは、東京・八雲『millvalley yakumo』をWEBで特別に公開します。

商店街の一角で知る、西海岸の作家の今。東京・八雲『millvalley yakumo』。
テーブルは〈WAKA WAKA〉製。〈Kat and Roger〉と〈Pratt+Larson〉のコラボレーションタイルが目を引くキッチンカウンターでは、オリジナルブレンドのコーヒーを提供。

ポップなフォルムの〈EKUA〉のマグカップ、色とりどりのガラスが織りなすDebbie Beanのプレート、温かみを感じる〈fixed air〉の金工のアクセサリー……、アメリカ西海岸を中心としたアーティストの作品が並ぶ『ミルヴァレー ヤクモ』には、どこか現地を思わせる風通しの良さがある。

「1997年から約10年間LAに暮らしていて、そこでさまざまなクリエイターとのつながりができました。帰国後、雑貨メーカーに就職しましたが、アメリカ在住時代から仲良くしていた〈Lookout & Wonderland〉のニッキーが作る草木染めのアイテムを日本で紹介したいと思って、店を始めることにしたんです」

そう話すのは店主の船谷晴子さん。セレクトの基準は自分が好きかどうか。そして知らない誰かではなく、自分の友人やその周りにいるクリエイターの作品を取り扱う。ラインナップには七尾佳洋・うた子の陶器や、須浪亨商店のいぐさのかごのように、日本人作家の作品もあるが、アメリカの作家と同じく、会って、想いを聞いて、”友人”になってから、迎え入れると決めている。

商店街の一角で知る、西海岸の作家の今。東京・八雲『millvalley yakumo』。
馬や鳥のオブジェ(¥9,900〜)はシアトル近郊のバション島で活動するHeidi Andersonが一つずつ手作り。エスカルゴの形をしたフック(各¥8,250)は〈EKUA〉。
商店街の一角で知る、西海岸の作家の今。『millvalley yakumo』
棚には〈Knotwork LA〉のプレートやタンブラー、〈bX Ceramics〉の湯呑みなど陶器類がたくさん。

店は2017年、東京・学芸大学でオープン。その後、2023年に八雲商店街に引っ越した。

「この通りは静かで落ち着いていていいんですよ。店の内装は親交があった〈MOBLEY WORKS〉の鰤岡力也さんに依頼。以前よりも店の広さが約2倍になったので、キッチンを作って、コーヒーやお菓子の提供も始めました。飲み物片手におしゃべりをしに来られる方も多いです」

商店街の一角で知る、西海岸の作家の今。東京・八雲『millvalley yakumo』。
Debbie Beanの小皿(各¥9,900)は光が透ける姿が美しい。
商店街の一角で知る、西海岸の作家の今。東京・八雲『millvalley yakumo』。
〈bibelot LA〉のアクセサリー(¥19,800〜)は天然石のピュアな魅力を堪能できる。

作家が来日・上京時に滞在できるよう、店の奥にゲストルームを用意。ポップアップでやってくる作家は、地元の人との交流も楽しみにしているという。ゆるやかなムードのなか、作り手と買い手をつなぐ店。船谷さんが暮らしていた2000年前後のロサンゼルスはきっとこんなピースフルな空気が漂っていたんだろうと感じさせる場所だ。

millvalley yakumo

東京都目黒区八雲1−8−7 ☎なし 13:00〜18:00 不定休 営業の詳細はInstagram(@millvalley_tokyo)にて。

millvalley yakumo

photo : Kohei Yamamoto text : Mariko Uramoto

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