TRAVEL あの町で。
三方五湖を巡りながら、心地よい静寂に包まれる旅へ。ー 美浜・福井県 ーTo Quiet LakesideJune 20, 2024 /〔PR〕
湖畔の隣には漁港もあり、この土地ならではの食文化が根付いている。
刻一刻と表情を変える湖の眺めと、自然と歴史に育まれた美味に出合う旅へ。
万葉集にも詠まれた、清らかな湖のある町へ。
「若狭なる 三方の海の浜清み い往き還らひ見れど飽かぬかも」と万葉集に詠まれるほど、古より美しさが讃えられてきた三方五湖。5つの湖のうち久々子(くぐし)湖と日向(ひるが)湖を有するのが福井県美浜町だ。その景色や自然を間近に感じたくて、まずは『美浜町レイクセンター』へ。2023年に開業した湖上モビリティの拠点で、国内初の取り組みとなる電池推進遊覧船がある。久々子湖から出発し、湖底に7万年もの層が堆積したという年縞を持つ水月湖を、50分ほどかけて巡っていく。クルーズでは、湖面に手が届きそうな湖、湖上から見上げる山々、360年もの昔に手で掘られた岩壁の浦見川、佇む水鳥の姿が次々と目の前に現れて、まさに見飽きることはない。湖の周りにはサイクリングコースも整備されていて、レンタサイクルで巡るのも気持ちがいい。
水質や深さの違う5つの湖は異なる青の色を持ち、五色の湖とも呼ばれる。その姿を一望のもとに眺めるなら、梅丈(ばいじょう)岳の山頂にある『レインボーライン山頂公園』へ。雄大な自然を心に刻める絶景のビュースポットとなっている。
豊かな自然に育まれた食も、旅の気分を大いに盛り上げてくれるもの。なかでも、塩漬けにした鯖を米糠に漬けて熟成させたへしこは、若狭地方に伝わる発酵食。美浜町では、塩と米糠に加え、醤油や味醂など調味料を使うのが特徴だという。食堂と売店、ティースタンドを備えた『九十百千 KOTOMOCHI』では、へしこの食べ比べや購入ができ、好みの味を見つける楽しみも。新鮮な魚介を満喫したいなら、日向湖の周りに点在する民宿へ。もてなしの気持ちがぎゅっと詰まった舟盛りや煮付けなど、漁師町ならではの迫力ある料理はまさに口福。共に味わいたいのは、「早瀬浦」。蔵内から湧き出る豊富な仕込み水を使い地元の料理に合う酒造りを続けて300年以上になる『三宅彦右衛門酒造』の日本酒だ。地元の食土産を手に入れたいなら、美浜駅前『道の駅 若狭美浜はまびより』が待っている。
心癒やされる自然と、歴史の奥深さ、そして美味なるもの。日本海に面するのどかな町で知った魅力はどこまでも心地よく、再訪を願わずにはいられないものだった。
information
再生可能エネルギー100%で航行する遊覧船が就航。
ラムサール条約湿地や日本農業遺産に認定されている三方五湖。静かに運航する遊覧船は、環境保全を意識して再生可能エネルギーだけを利用したもの。約8.8㎞のコースをガイドの案内付きで巡る。2隻ある遊覧船は、青はクート(大鷭 おおばん)、赤はグリーブ(鳰 かいつぶり)と水鳥の名前に。
ACCESS
JR美浜駅までは敦賀駅から小浜線で約20分。敦賀駅までは東京からは東海道新幹線米原駅経由で約2時間40分、北陸新幹線を利用すれば約3時間10分。関西方面からは特急サンダーバードで約1時間前後。JR小浜線は運行本数が少ないので事前に確認を。移動は美浜駅併設の若狭美浜観光協会で借りられるレンタサイクルや、敦賀駅や美浜駅から三方五湖をぐるっと一周できる路線バス「ゴコイチバス」が便利。
●問合せ/美浜町観光誘客課 ☎0770−32−6705 https://www.view-wakasamihama.jp/
photo : Akira Yamaguchi illustration : Shinji Abe (karera)