LIFESTYLE ベターライフな暮らしのこと。
〈TEMBEA〉デザイナー早﨑篤史さんの暮らし方。 オブジェ、民芸の器、多肉植物を飾って愛でる。&Interior 02 / October 31, 2021
2021年10月7日発売の特別編集MOOK「&Interior / 住まいを、整える」。これまで、狭くても古くても、ものが多くても、心地よくくつろげる暮らしは実現できるという思いから、素敵な住まい手の皆さんを取材してきた『&Premium』の中から、この2年で登場した33組のBetter Lifeな実例と、建築家やインテリアのプロと考えた、整えながら「収める」「飾る」方法についてを一冊にまとめました。ここでは、〈TEMBEA〉の早﨑篤史さんの暮らしを紹介します。
飾る”見せ場”と実用性を考えた収納のグッドバランス。
民芸の器や動物モチーフのフォークアート、実用性も兼ね備えたオブジェや生活雑貨を収納した珍しい形のカゴ……。〈TEMBEA〉の早﨑篤史さんが家族で暮らす一軒家には、物の来歴について一つひとつ質問したくなるようなユニークなアイテムが飾られている。足を踏み入れたときに感じるドキドキとワクワクは、ギャラリーや民芸館で作品を鑑賞する行為とよく似た感覚がある。
「アートやオブジェを飾るために、リビングの壁には石膏ボードよりも強度の高い芯を入れました。バッグブランドのデザイナーを職業としている僕は、ゼロからプロダクトを生み出すのが日々の課題。だから、仕事場だけではなく、家でも何かしらの刺激を受ける環境をつくりたくて、影響を受けたものを身の回りに置いて、飾っています。長い間、好きなものを集めてきて最近よく思うのは、自分は”形フェチ”ということ。用途を考えながらも、まずは見た目の心地よさが大切なんです。小さめのオブジェを素敵に飾る人もいますが、僕はどっしりした塊のようなフォルムが格好いいと思うタイプ。『これ、好きだな』と思うと、グッとハマる時期があって、集中的に買い集めるので気づいたら物が増えてしまいました。そういった物をいろいろと飾りたいがために、整理整頓を頑張っています(笑)」
早﨑さんがこの家を建てたのは8年ほど前。以前から気になっていた「木の家」を得意とする近所の工務店に依頼した。「気張っていない普通の家」を目指し、天井や吹き抜けの梁には米松を採用し、キッチンの収納棚と窓枠はタモ材で統一。素地の木の質感を基調にコーディネートされた温もりを感じる空間が魅力だ。
「工務店には、収納スペースをできる限り多く設けられるように細かく指定しました。物をたくさん置くことをあらかじめ想定していたので、屋根裏も作りました」
屋根裏の壁際には棚板を作り、オブジェや20歳の頃から集めてきた図録や洋書を”見せて収納”。その下には〈TEMBEA〉のブックトートをずらりと並べ、雑誌や家電の説明書などをまとめて収納している。
「トートやカゴは収納しているものがちらっと見えて、中身を忘れないのが便利なところ。キッチンの収納棚の一部分もオープンにして器を飾ったり、使用頻度の高い調味料やお茶を並べたり、見た目の楽しさと使い勝手を工夫しました。スリップウェアや片口鉢など、大きなフォルムの器が好きなので、余裕を持って収納できる棚を意識しました」
”見せない収納”を確保しつつ、物と物の間合いを考えながら吊るしたり、並べたり、空間に適した飾り方でオブジェを配置。その均衡が、居心地のよい住まいの鍵を握っている。
「アートやオブジェを飾るために、リビングの壁には石膏ボードよりも強度の高い芯を入れました。バッグブランドのデザイナーを職業としている僕は、ゼロからプロダクトを生み出すのが日々の課題。だから、仕事場だけではなく、家でも何かしらの刺激を受ける環境をつくりたくて、影響を受けたものを身の回りに置いて、飾っています。長い間、好きなものを集めてきて最近よく思うのは、自分は”形フェチ”ということ。用途を考えながらも、まずは見た目の心地よさが大切なんです。小さめのオブジェを素敵に飾る人もいますが、僕はどっしりした塊のようなフォルムが格好いいと思うタイプ。『これ、好きだな』と思うと、グッとハマる時期があって、集中的に買い集めるので気づいたら物が増えてしまいました。そういった物をいろいろと飾りたいがために、整理整頓を頑張っています(笑)」
早﨑さんがこの家を建てたのは8年ほど前。以前から気になっていた「木の家」を得意とする近所の工務店に依頼した。「気張っていない普通の家」を目指し、天井や吹き抜けの梁には米松を採用し、キッチンの収納棚と窓枠はタモ材で統一。素地の木の質感を基調にコーディネートされた温もりを感じる空間が魅力だ。
「工務店には、収納スペースをできる限り多く設けられるように細かく指定しました。物をたくさん置くことをあらかじめ想定していたので、屋根裏も作りました」
屋根裏の壁際には棚板を作り、オブジェや20歳の頃から集めてきた図録や洋書を”見せて収納”。その下には〈TEMBEA〉のブックトートをずらりと並べ、雑誌や家電の説明書などをまとめて収納している。
「トートやカゴは収納しているものがちらっと見えて、中身を忘れないのが便利なところ。キッチンの収納棚の一部分もオープンにして器を飾ったり、使用頻度の高い調味料やお茶を並べたり、見た目の楽しさと使い勝手を工夫しました。スリップウェアや片口鉢など、大きなフォルムの器が好きなので、余裕を持って収納できる棚を意識しました」
”見せない収納”を確保しつつ、物と物の間合いを考えながら吊るしたり、並べたり、空間に適した飾り方でオブジェを配置。その均衡が、居心地のよい住まいの鍵を握っている。
PROFILE
早﨑篤史 〈TEMBEA〉デザイナー
2004年に「放浪」という意味を持つバッグブランドを立ち上げる。カジュアルなキャンバス地を素材にしたトートバッグを中心にアパレル小物も展開。
photo : Takeshi Abe edit & text : Seika Yajima