家で料理を楽しむ人たちの、お気に入りの一皿。

家で料理を楽しむ人たちの、お気に入りの一皿。ジャンボしゅうまい料理写真家・福尾美雪Tasty Homemade Recipes 02 / December 25, 2020

家で料理をする機会がぐんと増えた昨今。この年末年始も家族や友人とおうちごはんを楽しむことが多いのではないでしょうか。そこで、料理好きのみなさんにとっておきの一皿やアレンジレシピを披露していただいた2020年9月号(No.81)の特集「真似をしたくなる、あの人の手料理」より、料理写真家・福尾美雪さんのレシピを紹介します。

ジャンボしゅうまい

名店『菱田屋』直伝。肉を味わうワイルドしゅうまい。

福尾美雪さんの仕事は料理専門写真家。東京・駒場東大前の人気定食店『菱田屋』のしゅうまいは、撮影時に教わった店主直伝のレシピに忠実に作って以来、毎回そのおいしさに感動し続けている料理のひとつだ。「とにかく大きくてインパクトがすごいし、肉々しさがたまらない。本家のレシピでは塊肉を粗めのみじん切りにして使うのですが、私は豚肩ロースの厚めのスライスを粗くみじん切りにして、挽肉と半々にしています。全量を挽肉にするより肉の食感が残るので、食べ応え満点です」

包む工程にも店主直伝の技が。「皮にこんもりと肉だねをのせて、くびれを作るようにくるむ。皮から大幅に肉がはみ出してもいい。普通の2 倍くらいの肉量ですが、それが感動的な肉々しさを生むんです」

せいろで蒸す工程には、くいしんぼうの福尾さんらしい工夫がある。「せいろの底に青梗菜やキャベツを敷き詰めます。しゅうまいから出る肉汁を吸って、これがたまらない」
 
旨味を吸ってクタクタになった青梗菜とキャベツに醤油を垂らして食べると、いい箸休めになる。「これはお仕事でご一緒した料理家の下条美緒さんのアイデア。プロの技は本当にすごい! 作って食べるたび、しみじみと感動するんです」

〈HOW TO COOK〉

豚挽肉と豚肩ロース肉を同量準備する。豚ロース肉は粗くみじん切りにする。玉ネギを5 ㎜角に切ってボウルに入れ、片栗粉をまぶしておく。別の大きめのボウルに挽肉と刻んだロース肉を入れ、オイスターソース、砂糖、胡麻油、生姜汁、片栗粉、塩、胡椒を加えて手でしっかりと練る。豚肉が白っぽくなったら玉ネギを加えて混ぜ、冷蔵庫で30分ほど冷やす。冷えた肉だねを12等分し、しゅうまいの皮で包む。皮から肉だねが大きくはみ出すくらいたっぷりのせるのがポイント。蒸し器の底に好みの青菜を敷き、その上にしゅうまいを置いて中火で8 分ほど蒸せば出来上がり。黒酢やからし醤油をつけていただく。
せいろの底には青梗菜とキャベツを。福尾さんいわく「しゅうまいのお布団」
せいろの底には青梗菜とキャベツを。福尾さんいわく「しゅうまいのお布団」
皮に対してこの肉の量! くびれを作るように包むと蒸している間に倒れない。
皮に対してこの肉の量! くびれを作るように包むと蒸している間に倒れない。
肉だねはバットに入れて冷蔵庫で冷やす。12等分しておくと包むときに楽。
肉だねはバットに入れて冷蔵庫で冷やす。12等分しておくと包むときに楽。
しゅうまいの下で蒸された青梗菜とキャベツは旨味を吸って絶品。
しゅうまいの下で蒸された青梗菜とキャベツは旨味を吸って絶品。

PROFILE

福尾美雪
料理写真家
雑誌や書籍などで料理写真を撮影。今回紹介したしゅうまいの本家レシピは、撮影を担当した書籍『行列のできる定食屋 菱田屋の男メシ!』に掲載。

photo : Miyuki Fukuo edit & text : Yuriko Kobayashi

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