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『映画という《物体X》フィルムアーカイブの眼で見た映画』岡田秀則 著(立東舎) — 選・文 / 本屋ロカンタン | Book | & Premium (アンド プレミアム)

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This Month Theme映画の真髄に触れる本。

選・文 / 本屋ロカンタン / July 09, 2020 本屋が届けるベターライフブックス。
『映画という《物体X》フィルムアーカイブの眼で見た映画』岡田秀則 著(立東舎)

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ところであなたは、かつての映画フィルムが何によってできていたかを知っているだろうか。正解は、爆薬と牛である。これは映画界隈でも案外と知られていない事実であったようで、私の周辺のライター諸氏も、みな一様にこの箇所に驚いていた。『風と共に去りぬ』や『東京物語』をはじめとする錚々たる名作群も、これら可燃性フィルムで撮られたという。けれど観客は、何のことはない、等しく爆薬の上に牛の体内物質を塗りつけたものを観ていただけなのである(!)。著者は国立映画アーカイブで、映画フィルムとその周辺資料の保存と活用に勤しむ映画アーキビスト。いまや映画はほぼデジタルへと移行しつつあるが、だからこそその重要性はいや増す。20世紀という時代の特殊性は、後年、これらの「物体X」たちが静かに証言してくれるだろう。


roquentin 本屋ロカンタン

JR中央線・西荻窪駅南口より徒歩6分。映画文筆家の店主・萩野亮の自宅を兼ねたささやかな本屋。人文・芸術分野を中心に新刊、古書、ZINE、映画輸入盤などを取り揃える。
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