Lifestyle

井浦 新さんが大切にしている、ひとりの時間。ME TIME 私だけの、ひとりの時間。November 05, 2022

趣味や好きなことに没頭したり、心の奥にある内なる声と向き合ったり。自分のための「ひとりの時間」をしっかりとつくり、楽しむことは、ベターライフを送るために大切なこと。2022年10月20日発売の特集「私だけの、ひとりの時間」から、俳優・井浦新さんの自分だけの時間の過ごし方を紹介します。

自転車で走る。

自転車に乗ってアップダウンの激しい東京の地形を体で感じながら、細い路地を駆け抜けるという井浦さん。E−バイクが来たときはすぐに坂道で試し乗りしたという。ME TIME 私だけの、ひとりの時間 井浦 新 ヴァンムーフ E−バイク
自転車に乗ってアップダウンの激しい東京の地形を体で感じながら、細い路地を駆け抜けるという井浦さん。E−バイクが来たときはすぐに坂道で試し乗りしたという。

E−バイクで気の向くまま街を巡り、その土地の歴史に思いを馳せる。

 ふと、ひとりになる時間があると、自然に触れたり、博物館や美術館を訪ねたり、外へ足が向くことが多いという井浦新さん。数か月前に手に入れたばかりのE−バイクは、ひとりで出かける楽しみを広げてくれる、相棒のような存在だ。
「電動アシスト自転車が欲しくて、ずっと探していたんです。どういうものが自分のライフスタイルに合うんだろうと考えて、ようやくしっくりきたのが〈ヴァンムーフ〉のE−バイクでした」
 これに乗れば、平地はもちろん、立ち漕ぎをしないと上れなかった急坂もスムーズ。前後にキャリアを取り付けてカスタムした荷台に大量の荷物を載せても、重さを感じることなく軽々と走れる。それまで15年以上、大切に乗ってきたマウンテンバイクと、全く違うスタイルの自転車2台を乗り分けて、その違いを楽しんでいるのだという。忙しい井浦さんが、新しく買ったE−バイクに乗って、これからやってみたいことは山ほどある。
「東京には自転車で走って楽しい道がたくさんあるので、まずはカメラを片手に、どこまでも行ってみたいです。下町のほうで隅田川クルーズをするのもいいし、これまで、どうしても車で訪れることが多かった上野界隈の美術館や博物館にも、この自転車なら行く過程から楽しめるだろうなと思います。今日走った小道のように、江戸時代からあったと思えるような坂や路地、縄文の遺跡も東京には数多く残っているから、その地形を感じ、古代に思いを馳せ、現代の景色にいにしえを感じながら、歴史ある道を行くことができたら」
 江戸や縄文の痕跡を写真に残しながら走る旅は、移動距離を遥かに超える豊かさをもたらしてくれるに違いない。それは冒険と言ってもいい体験だろう。井浦さんにとって、ひとりだからこそ特別なものとして叶えられることはあるのだろうか。
「家族や仲間とでも、もちろん一緒に楽しめるけど、ひとりだと誰にも迷惑をかけずに、好きなペースで動けます。今日は詰め込みたいなという日もあって、そういうときは周りを振り回さずに、できなかったことや溜まりに溜まったやりたいことを存分にやる。ただ疲れるだけなんですけど、疲れたいんですよね。どうしても車を使ってしまうこともありますが、ひとり自転車で走っていれば排気ガスも出さないですし、そのためにもE−バイクを手に入れたかったということもあります」
 時に、自転車を引いて街を歩いたり、電車に乗ったりするのも、同じように好きだという。そこには、それぞれに違った楽しみがあるようだ。
「行動範囲は限られますが、歩いているときのほうが景色が緩やかに進んで、小回りも利く。好きな音楽とセットで、よりゆっくりと自分の世界を楽しめます。一方で、自転車や電車に乗って流れていく景色を眺めるのは、やっぱりすごく好きなんです。街や自然の色、人の動きなどの残像を、後になって素敵だったなと思い返したり、強烈なシーンがそのまま記憶に残ったり、流れる時を最大限に感じて進んでいく。それがたまたま後になって仕事に生きてきたらラッキーだけれど、その瞬間を感じるだけで、十分に心が潤います。その時間を、自分の好きな道具だったり、物たちと一緒に過ごせるなら、なお楽しいです」

水色の「ヴァンムーフS3」にフロントとリアキャリアを取り付け、行く先で買い物したものがたっぷり入るバッグを装着。革サドルはイギリスの〈ブルックス〉、ペダルもカスタム。
水色の「ヴァンムーフS3」にフロントとリアキャリアを取り付け、行く先で買い物したものがたっぷり入るバッグを装着。革サドルはイギリスの〈ブルックス〉、ペダルもカスタム。
自転車を止めてひと休み。「かつて川の流れていた場所の周囲にあることが多い、縄文時代の遺跡を探すのも好きです」。遥か遠い過去へと思いを巡らす、贅沢なひとりの時間だ。
自転車を止めてひと休み。「かつて川の流れていた場所の周囲にあることが多い、縄文時代の遺跡を探すのも好きです」。遥か遠い過去へと思いを巡らす、贅沢なひとりの時間だ。

コート¥44,000、パンツ¥25,300、ベスト¥19,800(以上スティーブン アラン/スティーブン アラン シンジュク ☎03−5321−9970) シューズ¥31,900(ダナー×ビューティ&ユース/ビューティ&ユース ユナイテッドアローズ 丸の内店 ☎03−6212−1500) その他スタイリスト私物

photo : Taro Hirano styling: Kentaro Ueno hair & make-up : NEMOTO (HITOME) text : Asuka Ochi
※『&Premium』No. 108 2022年12月号「ME TIME / 私だけの、ひとりの時間」より


俳優 井浦 新

1974年生まれ。自然由来のヘアケアブランド〈Kruhi〉をローンチ。近作に映画『こちらあみ子』、11月13日から放送予定のWOWOW連続ドラマW『両刃の斧』で主演。

Pick Up おすすめの記事

Latest Issue 最新号

Latest Issuepremium No. 125スタンダードと、センス。2024.03.19 — 930円