神聖な空気が流れる、山形県・羽黒山で”生まれかわりの旅”を。July 31, 2025 /〔PR〕
The Guide to Yamagata神聖な空気が流れる、山形県・羽黒山で"生まれかわりの旅"を。
東京から新幹線と特急を乗り継ぎ、のんびり列車の旅を楽しむこと約4時間。たどり着いたのは、日本海に面した東北最大の広さを誇る山形県鶴岡市。荘内藩の城下町として栄え、その面影を残すこの地には、聖地・出羽三山や豊かな自然の恵みがもたらす多様な食文化、温泉、今を感じる新たなカルチャースポット……身も心もリフレッシュできる見どころが満載だ。

Power Spot
出羽三山のお参りが一度にできる
羽黒山頂の三神合祭殿へ。
自然崇拝、山岳信仰の日本有数の聖地に数えられる出羽三山とは、山形県の中央にそびえる羽黒山(はぐろさん)、月山(がっさん)、湯殿山(ゆどのさん)の総称。羽黒山は現世利益を叶える山、月山は死後の安楽と往生を祈る山、湯殿山は新しい命が誕生する未来の山とされ、三山を詣でることは「生まれかわり」を意味する。「西の伊勢参り、東の奥参り」とも言われ、いにしえより多くの人々の信仰を集めてきた。そんな三山の神々をお祀りするのが、羽黒山頂にある出羽三山神社の三神合祭殿。ここをお参りすると、三山詣でと同じ御利益を授かれるという。標高414mの山頂へは車で向かうこともできるけれど、先人たちがしていたように、2446段の石段がある長い参道を自分の足で一歩一歩登る体験をぜひしてみたい。
羽黒山のふもとにある出羽三山神社の社務所の先の随神門をくぐると、一気に厳かな空気に包まれる。樹齢数百年の杉並木の中に延びる全長約1.7kmの石段が続く参道は、江戸時代初期に13年もかけて造られたものだという。一の坂手前には、平将門が建立したと伝えられている国宝・羽黒山五重塔が。静かな木立に佇む高さ29mの素木造りの姿は、息を呑むほど美しい。その先はしばらく登り坂が続き、勾配が最も急な二の坂を上がった先に『二の坂茶屋』が現れる。夏は地元で収穫されたベリーをトッピングしたかき氷も人気で、庄内平野を眺めながらいただく甘味が疲れを癒やしてくれる。
最後の三の坂を登り切ると、いよいよ山頂に到着。境内奥に立つ、厚さ2.1mの茅葺き屋根に朱塗りの内部の豪壮な社殿が三神合祭殿だ。ひたすら無心で上り続けた石段詣後の参拝は、なんとも清々しく、達成感に満たされ、身も心もまさに生まれ変わったような気分に。

Culture Spot
歴史が残る風情ある町に
新たな風を吹き込むスペースへ。
鶴岡はここ数年、県外からの移住者が少しずつ増え、町を活気づかせる新たな動きがある。地元産の食材にこだわったメニューを出したり、クリエイターとともにイベントを行うカフェなどがオープン。県内外から多くの人が訪れ、話題になっている。
2019年に開いた『manoma』は、東京で活動していた鶴岡出身の物書き料理家・マツーラユタカさんと、暮らしの装飾家・ミスミノリコさん夫妻が営むカフェ&ギャラリー。「僕自身、興味を持って修験道の修行体験などをしたのは、鶴岡を離れてから。この地の風土や歴史、信仰、食などの文化はすべてつながっていて、暮らしを豊かにしてくれる。そんな鶴岡特有のホリスティックな魅力に改めて気づき、戻ってくることを決心しました。僕たちも、さまざまなモノゴトをつなぐ存在でありたい」とマツーラさん。カフェでは、二十四節気に合わせて、鶴岡周辺で獲れた野菜を自由な発想でアレンジする定食が名物。併設するギャラリーでは、夫妻と縁のある県内外の作り手の雑貨を紹介するほか、ライブやワークショップなどのイベントも行っている。
一方、鶴岡で生まれ育った笹原悠治さん・凜さん夫妻のベーカリーカフェ『EN/ME』は、「鶴岡にはなかったモーニング文化を浸透させたい」と朝8時から営業。自慢の焼きたてパンによる朝食メニューを提供している。お昼は、庄内の農家から仕入れた新鮮な野菜を使ったワンプレートランチも人気だ。2階にあるフリースペースでも、週末を中心にさまざまな業種が集まるポップアップイベントなどを開催している。

Food
ラーメンから郷土料理まで、
豊かな食文化を満喫。
山々が連なり、広大な庄内平野を東から西へ横断する最上川は、養分たっぷりの伏流水を運んで、日本海へ。変化に富んだ鶴岡の地形は、山海の豊かな恵みをもたらす。農家では数百年にわたって守り継いでいる固有の品種があるといい、春は孟宗(もうそう)、夏はだだちゃ豆や民田なすといった四季折々の作物を栽培。また、出羽三山では山伏たちが、自然と山の恵みをいただく「生きるための精進料理」を今に伝え、各家庭でも郷土食や祭りになると振る舞われる行事食が大切に受け継がれている。こうした歴史と風土に根ざした鶴岡特有の食文化は、2014年に日本で初めて「ユネスコ食文化創造都市」に認定された。
そんな全国屈指のグルメ都市ながら、クオリティの高い味を気取らずに体験できるのもこの町の魅力。山形県民のローカルフードといえばラーメンだが、鶴岡にも魚介出汁ベースのあっさり系を中心にさまざまなラーメン店があり、地元の人はお気に入りの店がいくつかあるという。1976(昭和51)年創業の『田代食堂』は、田園風景が広がる町外れにある行列必至の人気店。メニューは「中華そば」と「チャーシューメン」の2種。鶏ガラや豚骨に数種の魚介をブレンドしたあっさり味の醤油スープは、中太のちぢれ麺にいい塩梅で絡んで食べ飽きないおいしさ。
また、温泉旅館の女将をしていた大塚せつ子さんが、息子の陽亮さんと共に営むカウンターのみの小料理店『夕顔』では、在来野菜をはじめ、日本海で獲れた新鮮な魚介など旬の食材を使った郷土料理と、山形の地酒が一緒に楽しめる。その土地ならではの食を味わうことは、旅の醍醐味のひとつ。ハイレベルで奥深く、バリエーションも多彩な鶴岡の食文化は、旅の満足度をさらに上げてくれるはず。
鶴岡の定番と注目のスポットを訪ねて。
町を形づくる自然、歴史、文化、すべてに興味深いストーリーがあり、一度訪れたらまたリピートしたくなる鶴岡。神社や温泉、絶景、おいしいもの、クラフト……。今、この場所を旅するならぜひ訪れたいスポットを、新旧織り交ぜて紹介。
ACCESS

鶴岡駅までは、東京駅からJR上越新幹線で新潟駅まで約2時間、新潟駅から特急「いなほ」で約1時間50分。出羽三山を巡る場合の正式参拝コースは、羽黒山、月山、湯殿山の順で。月山本宮は7月1日〜9月15日、湯殿山は6月1日〜11月3日までの開山となる。また、鶴岡市は国民保養温泉地として、湯野浜温泉、あつみ温泉、湯田川温泉、由良温泉の4つの個性豊かな温泉がある場所としても知られている。
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photo : Masanori Kaneshita edit & text : Kazuyo Nojiri illustration : Junichi Koka